1歳-2歳は「歩く子ども(トドラー)」期と呼ばれ、身体能力・言語能力・社会性が急速に発達する時期です。歩行の完成からイヤイヤ期の始まりまで、この時期の発達と育児のポイントについて詳しくご紹介します。
身体の発達
身体の発達
- 歩行:1歳2-3ヶ月頃までに安定した歩行
- 走る動作:1歳半頃から小走りができる
- 階段:手すりにつかまって上り下り
- 体重増加:ペースが緩やかになる(月200-300g程度)
発達のポイント
発達のポイント
運動面の発達
- 転ばずに方向転換ができる
- しゃがんで物を拾い、立ち上がる
- ボールを蹴る動作
- 大人の手を引いて歩く
手指の器用さ
- クレヨンで殴り書き
- 積み木を2-3個積む
- スプーンを使って食べようとする
- ページをめくる(数ページずつ)
この時期に必要なアイテム
この時期に必要なアイテム
歩行関連
- 外用の靴:足の発達に適したもの
- 安全な歩行環境:転倒対策済みの空間
- 押し車・カート:公園遊びに
知育・遊び用品
- 大きめの積み木:誤飲しないサイズ
- お絵かき用具:クレヨン、大きな紙
- 楽器おもちゃ:太鼓、タンバリン、マラカス
- ボール:柔らかく大きめ
身体の発達
身体の発達
- 走る:安定して走れる
- ジャンプ:両足で飛び跳ねる
- 階段:手すりなしで上れる子も
- 体重・身長:1歳時の1.2-1.3倍
言語発達の大きな変化
言語発達の大きな変化
1歳6ヶ月頃
- 単語数:20-50語程度
- 2語文の始まり:「ママ、いた」「ワンワン、いる」
- 指差し:要求・共感・質問の指差し
2歳頃
- 単語数:200-300語程度
- 2語文の完成:「これ、ちょうだい」「パパ、いない」
- 質問:「これ、なに?」が頻発
社会性・自立心の発達
社会性・自立心の発達
自分でやりたがる
- 服の着脱(まだ上手にできない)
- 歯磨き(大人の仕上げが必要)
- 食事(スプーンやフォークを使いたがる)
イヤイヤ期の始まり
- 「イヤ」「ダメ」を多用
- 自分の思い通りにならないと癇癪
- 大人の提案を拒否する
1歳0-6ヶ月の食事
1歳0-6ヶ月の食事
食事の基本
- 回数:3回食+おやつ2回
- 硬さ:歯茎でかめる程度
- 味付け:薄味(大人の1/3-1/2程度)
食事量の目安(1回分)
- 主食:軟飯80g、食パン8枚切り1枚
- 主菜:魚・肉15g、卵1/2-2/3個、豆腐40-50g
- 副菜:野菜・果物40-50g
- 乳製品:牛乳100ml、ヨーグルト80g
1歳6ヶ月以降の食事
1歳6ヶ月以降の食事
幼児食の特徴
- 硬さ:大人の食事に近づける
- 味付け:徐々に大人に近づける
- 形状:一口大にカット
新しく食べられるもの
- 生野菜:きゅうり、トマトなど
- 刺身:新鮮なもので少量から
- ナッツ類:細かく刻んで(丸ごとは3歳以降)
自分で食べる力を育む
自分で食べる力を育む
環境設定
- 子供用テーブル・椅子:足がつく高さ
- 専用食器:落としても割れないもの
- エプロン・お手拭き:汚れてもOKな環境
食事のマナー
- 手を合わせる:「いただきます」「ごちそうさま」
- 座って食べる:立ち歩かない約束
- 食べ物で遊ばない:基本的なルール
歩行期特有の危険
歩行期特有の危険
転倒・転落
- 階段:両端にゲート(上りたがるため)
- 窓・ベランダ:子供の手の届かない高さにロック
- 家具の角:すべてにコーナーガード
誤飲・誤食
- 小さなもの:床に落ちているものの徹底除去
- 薬剤:手の届かない場所+チャイルドロック
- 植物:毒性のある観葉植物の撤去
外出時の安全対策
外出時の安全対策
公園・遊び場
- 対象年齢:遊具の対象年齢を必ず確認
- 目の届く範囲:常に視界に入る場所で
- 水場:池や川には絶対に近づけない
交通安全
- 手つなぎ:道路では必ず手をつなぐ
- チャイルドシート:後ろ向き推奨(2歳まで)
- ハーネス:人混みや駅でのはぐれ防止
運動発達を促す遊び
運動発達を促す遊び
室内でできる運動
- 音楽に合わせて踊る:リズム感とバランス感覚
- 障害物コース:クッションや椅子を使って
- ボール遊び:投げる、蹴る、転がす
公園での遊び
- 滑り台:階段の上り下りと滑る楽しさ
- 砂場遊び:手指の器用さと創造性
- 追いかけっこ:走る動作の完成
言語発達を促す関わり
言語発達を促す関わり
日常的なコミュニケーション
- 実況中継:行動を言葉で説明
- 選択肢を与える:「リンゴとバナナ、どっち?」
- 質問に答える:「これなに?」に丁寧に答える
読み聞かせのコツ
- 毎日の習慣:同じ時間に読む
- 子供のペース:興味のあるページで立ち止まる
- 繰り返し読み:同じ本を何度でも
おすすめの絵本・おもちゃ
おすすめの絵本・おもちゃ
1歳0-6ヶ月向け
- だるまさんシリーズ:リズム感のある文
- いないいないばあ:予測できる楽しさ
- 動物の絵本:鳴き声や動作の真似
1歳6ヶ月-2歳向け
- はらぺこあおむし:色彩豊か、数の概念
- ぐりとぐら:ストーリー性のある内容
- のりもの絵本:男女問わず人気
イヤイヤ期の理解
イヤイヤ期の理解
なぜイヤイヤするのか
- 自立心の芽生え:自分でやりたい気持ち
- 言葉の未発達:思いを伝えられないもどかしさ
- 感情のコントロール:まだ未熟な感情調整能力
具体的な対応方法
具体的な対応方法
予防策
- 選択肢を与える:「赤い服と青い服、どっち?」
- 時間の余裕:急がせずゆっくりと
- 環境作り:イヤイヤしにくい状況を作る
イヤイヤしている時
- 共感する:「嫌だったね」と気持ちを受け止める
- 代替案を提示:「これはどう?」
- 気をそらす:違うことに注意を向ける
してはいけないこと
- 感情的になる:大人も一緒にイライラしない
- 無理強い:力で押さえつけない
- 放置する:安全な場所で見守る
1歳0-6ヶ月
1歳0-6ヶ月
7:00 起床・朝食 8:00 自由遊び 9:30 おやつ・牛乳 10:00 外遊び・散歩 11:30 室内遊び 12:00 昼食 13:00 昼寝 15:00 おやつ・牛乳 15:30 室内遊び・絵本 17:00 夕食準備手伝い 18:00 夕食 19:00 お風呂 20:00 絵本・就寝準備 21:00-7:00 夜間睡眠(11-12時間)
1歳6ヶ月-2歳
1歳6ヶ月-2歳
7:00 起床・朝食 8:00 自由遊び・お手伝い 9:30 おやつ 10:00 外遊び・公園 11:30 室内遊び・お絵かき 12:00 昼食 13:00 昼寝(1-2時間) 15:00 おやつ 15:30 室内遊び・パズル 17:00 夕食準備手伝い 18:00 夕食 19:00 お風呂 20:00 絵本・静かな遊び 21:00-7:00 夜間睡眠
食事に関する悩み
食事に関する悩み
偏食が始まった
- 成長の証拠:好みが出てくるのは正常
- 無理強いしない:嫌いなものを無理に食べさせない
- 工夫する:調理法や盛り付けを変える
遊び食べをする
- 適量を出す:最初から少なめに盛る
- 時間を決める:30分程度で切り上げ
- 環境整備:テレビを消して集中できる環境
睡眠に関する悩み
睡眠に関する悩み
夜泣きが復活した
- 昼間の刺激:新しい経験の処理で脳が興奮
- 生活リズム:就寝・起床時間の見直し
- 安心感:添い寝や背中をさする
昼寝をしない
- 活動量:午前中の運動量を増やす
- 環境作り:暗く静かな部屋で
- 無理強いしない:横になるだけでもOK
言葉の発達に関する悩み
言葉の発達に関する悩み
言葉が遅い
- 個人差:2歳までは大きな個人差がある
- 環境作り:たくさん話しかける
- 相談:2歳で2語文が出ない場合は専門家に
発音が不明瞭
- 発達過程:3-4歳まで不明瞭は正常
- 正しく返す:「ワンワン」→「犬だね」
- 焦らない:時間をかけて発達する
1歳半健診のチェックポイント
1歳半健診のチェックポイント
身体発達
- 一人歩きができる
- 積み木を積める
- なぐり書きができる
言語発達
- 意味のある言葉を話す
- 簡単な指示を理解する
- 指差しをする
2歳の発達目標
2歳の発達目標
運動面
- 走る・跳ぶができる
- ボールを蹴れる
- 階段を一人で上れる
言語面
- 2語文を話す
- 50語以上の語彙
- 名前を言える
社会性
- 簡単なお手伝いができる
- 他の子への関心を示す
- 基本的なルールを理解する
1歳-2歳は、赤ちゃんから幼児への大きな変化の時期です。
この時期の重要ポイント
- 安全対策を徹底しながら自由に探索させる
- 言葉かけを増やして言語発達を促す
- イヤイヤ期を成長の証として受け止める
- 自立心を尊重しながら見守る
歩けるようになると世界が大きく広がり、言葉が出始めるとコミュニケーションが楽しくなります。一方で、自我が芽生えることでイヤイヤも始まります。この時期の関わり方が、その後の親子関係の基礎となります。
子どもの成長を喜びながら、安全に配慮して、たくさんの体験をさせてあげることが大切です。イヤイヤ期は大変ですが、成長の証として温かく見守ってあげてください。
注意事項 この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的アドバイスに代わるものではありません。発達について心配なことがあれば、必ず小児科や発達相談機関にご相談ください。