生後7-9ヶ月は、赤ちゃんの運動能力が飛躍的に発達し、行動範囲が大きく広がる時期です。お座りの完成からハイハイ、つかまり立ちまで、この時期の発達と必要なケアについて詳しくご紹介します。
身体の発達
身体の発達
- お座り:支えなしで安定して座れる
- 手の自由度:座った状態で両手でおもちゃを操作
- 歯の萌出:下の前歯が生え始める子も
- 体重:出生時の約2.5倍
発達のポイント
発達のポイント
運動面の発達
- 座った状態から前後左右に手を伸ばす
- うつ伏せから四つ這いの姿勢を取る
- 膝立ちの姿勢ができる
認知・社会面の発達
- 人見知りが本格化
- 自分の名前に反応する
- 簡単な因果関係を理解し始める
この時期に必要なアイテム
この時期に必要なアイテム
安全対策の強化 お座りができるようになると行動範囲が広がるため、安全対策が重要です。
- ベビーゲート:階段上下、危険な部屋の入口
- コーナーガード:テーブルや家具の角
- ドアロック:引き出しや扉の開閉防止
- コンセントカバー:感電防止
離乳食2回食の準備
- ベビーチェア:しっかり固定できるもの
- 手づかみ食べ用食器:滑り止め付き
- エプロン:袖付きタイプ
身体の発達
身体の発達
- ハイハイ:前進できる子が増える
- つかまり立ち:低いテーブルなどにつかまって立つ
- 器用さ:親指と人差し指でつまむ(ピンサー把握)
離乳食2回食の開始
離乳食2回食の開始
7-8ヶ月頃から離乳食を1日2回に増やします。
タイムスケジュール例
- 1回目:午前10時頃
- 2回目:午後2時頃
- 授乳:離乳食後と寝る前など
2回食の進め方
第1週:1回食と同じ量で2回 第2週:少しずつ量を増やす 第3-4週:大人の食事時間に近づける
離乳食中期の特徴
離乳食中期の特徴
形状と固さ
- 粒状:舌でつぶせる程度(絹ごし豆腐程度)
- 大きさ:2-3mm程度の細かい粒
- 水分:とろみのあるペースト状から移行
新しい食材の追加
- 肉類:鶏ひき肉、豚ひき肉
- 魚類:白身魚、青魚(少量から)
- 卵:卵黄から開始(全卵は9ヶ月以降)
- 乳製品:ヨーグルト、チーズ(加熱調理用)
手づかみ食べの準備
手づかみ食べの準備
8ヶ月頃から手づかみ食べに興味を示し始めます。
適した食材
- 野菜スティック:茹でた人参、大根など
- 食パン:トーストして細く切る
- おにぎり:小さく握って
- 茹でた麺類:短く切って
身体の発達
身体の発達
- ハイハイ:スピードアップ、方向転換も上手に
- つかまり立ち:安定してできる
- つたい歩き:家具に沿って移動する子も
- 指先の器用さ:小さなものをつまめる
発達のポイント
発達のポイント
運動面の発達
- 階段を上ろうとする
- 立った状態から座ることができる
- 両手に違うものを持って操作する
言語面の発達
- 「マンマ」「パパ」などの音を意味を持って発する
- 手を振って「バイバイ」
- 簡単な指示を理解し始める
安全対策の追加ポイント
安全対策の追加ポイント
ハイハイが活発になるこの時期は、事故防止対策が最重要です。
室内の安全対策
- 床の物:誤飲の可能性があるものは全て撤去
- 階段:上下にベビーゲート設置
- 電気コード:カバーやまとめ器で整理
- 植物:手の届かない場所に移動
キッチン・浴室
- 包丁・調理器具:チャイルドロックで保護
- 洗剤類:高い場所に移動
- 浴室のドア:必ずロック
おすすめのおもちゃ・アイテム
おすすめのおもちゃ・アイテム
運動発達促進
- 押し車:つかまり立ちから歩行へ
- トンネル:ハイハイで通り抜け
- ボール:追いかけてハイハイ
知的発達促進
- 型はめパズル:手先の器用さと形の認識
- 積み木:握りやすい大きめサイズ
- 音の出る絵本:言語発達促進
9ヶ月頃の予防接種
9ヶ月頃の予防接種
- 4種混合ワクチン:追加接種(初回から6-18ヶ月後)
- BCG:接種から6ヶ月後にツベルクリン反応確認
9-10ヶ月健診
9-10ヶ月健診
この時期に行う健診では以下をチェックします:
発達チェック項目
- お座りの安定性
- ハイハイの状況
- つかまり立ちの可能性
- 人見知りの状況
- 離乳食の進行状況
生後7ヶ月(2回食開始)
生後7ヶ月(2回食開始)
6:00 授乳・おむつ替え 7:00 遊び・お座り練習 9:00 睡眠 10:00 離乳食1回目・授乳 11:00 散歩・外遊び 13:00 睡眠 14:00 離乳食2回目・授乳 15:00 遊び・ハイハイ練習 17:00 睡眠 18:00 授乳・おむつ替え 19:00 お風呂 20:00 授乳・就寝準備 21:00-6:00 夜間睡眠
生後9ヶ月(活発期)
生後9ヶ月(活発期)
6:00 授乳・おむつ替え 7:00 自由遊び・探索活動 8:30 睡眠 10:00 離乳食1回目・授乳 11:00 公園・外遊び 12:30 睡眠 14:00 離乳食2回目・授乳 15:00 室内遊び・手づかみ食べ練習 16:30 睡眠 18:00 授乳・おむつ替え 19:00 お風呂 20:00 授乳・就寝準備 21:00-6:00 夜間睡眠
離乳食に関する悩み
離乳食に関する悩み
手づかみ食べで汚れる
- 準備:床にシートを敷く、エプロンを着用
- 心構え:汚れることを前提に
- 片付け:食後すぐに拭き取る
食べムラが出てきた
- 原因:好みが出始める時期
- 対策:同じ食材でも調理法を変える
- 注意:無理強いはしない
安全に関する悩み
安全に関する悩み
目が離せない
- 環境整備:危険なものは事前に撤去
- 見守り範囲:安全な範囲で自由に探索させる
- 外出時:ハーネス付きリュックの活用
夜泣きが激しい
- 原因:日中の刺激が多い、歯の生え始め
- 対策:日中の活動量調整、歯固めの活用
- 環境:静かで暗い寝室環境
人見知りの特徴
人見知りの特徴
この時期の人見知りは正常な発達の証拠です。
典型的な反応
- 知らない人を見ると泣く
- 母親から離れたがらない
- 祖父母でも久しぶりだと泣く
対処方法
対処方法
日常的な対応
- 無理強いしない:泣いても抱っこを強要しない
- 段階的接近:距離を保ちながら慣らす
- 安心感の提供:母親が笑顔で接する様子を見せる
外出時の配慮
- 事前説明:相手に人見知りの時期であることを伝える
- おもちゃの活用:好きなおもちゃで気を紛らわす
- 短時間から:長時間の外出は避ける
歯の萌出時期
歯の萌出時期
- 下の前歯:6-8ヶ月
- 上の前歯:8-10ヶ月
- 症状:よだれ増加、歯茎のかゆみ、微熱
歯のケア方法
歯のケア方法
初期ケア
- ガーゼ磨き:濡らしたガーゼで歯を拭く
- 歯ブラシ慣れ:持たせて遊ばせる
- 仕上げ磨き:嫌がらない程度に短時間
注意点
- 歯磨き粉は使用しない(1歳頃まで)
- 強く磨きすぎない
- 楽しい雰囲気で行う
生後7-9ヶ月は、赤ちゃんの世界が大きく広がる重要な時期です。
この時期の重要ポイント
- 安全対策の徹底(誤飲・転落防止)
- 離乳食2回食への移行
- 運動発達を促す環境作り
- 人見知りへの理解ある対応
ハイハイが始まると事故のリスクが高まりますが、同時に運動能力や好奇心が大きく発達する時期でもあります。安全に配慮しながら、十分に探索活動をさせてあげることが大切です。
注意事項 この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的アドバイスに代わるものではありません。発達や離乳食について心配なことがあれば、必ず小児科や栄養士にご相談ください。