改札の前でベビーカーを畳み、子どもを抱えたまま片手で本体を提げて通る。エレベーターが反対側の出口にしかない駅で、階段の下からベビーカーを見上げる。ベビーカー選びで後悔する場面は、たいてい店頭ではなく毎日通る道の上で起きます。
この記事は、これから初めてベビーカーを選ぶ人に向けて、自分の家の条件から候補を絞る手順をまとめたものです。読み終えると、A型とB型のどちらから入るかを決められて、店頭へ行く前に測っておくものが分かります。
特定のモデルを勧める記事ではありません。 当サイトはベビーカーを持っておらず、使った感想を書ける立場にないためです。ここに書いているのは、一般に言われている型の違いと、住まいの条件から絞り込む手順だけです。
カタログを見比べる前に、すでに決まっていることが3つあります。毎日通る道、畳んだあとの置き場所、使い始める時期です。
この3つは、どのベビーカーを買っても変えられません。逆に言えば、ここを先に確定させるだけで候補はかなり絞られます。順に見ていきます。
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観点1: 毎日通る道が、必要な軽さを決める
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観点1: 毎日通る道が、必要な軽さを決める
移動の中心が電車なのか、車なのか、徒歩なのかで、効いてくる性能が変わります。
- 電車が中心なら、効くのは軽さと畳みやすさです。改札の幅、階段しかない出口、混雑した車内。ベビーカーを持ち上げる場面が毎日あります
- 車が中心なら、効くのはトランクに入るかどうかと、畳む手順の少なさです。乗せ降ろしのたびに畳むので、両手が必要な折りたたみは負担になります
- 徒歩が中心なら、効くのは走行の安定です。歩道の段差、砂利、傾いた舗装。押している時間そのものが長くなります
自分がどれに当てはまるか分からないときは、直近1週間の外出を思い出して数えるのが早いです。頭の中の「たまに電車に乗るから」は、実際の回数と合わないことがあります。
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観点2: 畳んだあとの置き場所が、大きさを決める
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観点2: 畳んだあとの置き場所が、大きさを決める
ベビーカーは1日のうち、押している時間より畳んで置いてある時間のほうが長いものです。それなのに、置き場所は店頭でほとんど検討されません。
確かめるのは次の3か所です。
- 玄関。畳んだベビーカーを置いて、大人が靴を履くスペースが残るか
- 玄関までの経路。マンションなら、エレベーターに乗せて他の人が乗れる余裕があるか
- 車のトランク。畳んだ状態の高さが、トランクの開口部を通るか
置き場所が確保できないと、ベビーカーは玄関の外や廊下に出しっぱなしになります。雨や盗難のリスクを毎日抱えることになるので、大きさは妥協しにくい条件です。
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観点3: 使い始める時期が、型を決める
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観点3: 使い始める時期が、型を決める
生まれてすぐ使いたいのか、お座りができるようになってからでいいのか。ここでA型かB型かが決まります。
座れない時期にベビーカーを使う予定がないなら、A型を買わずに済ませる道もあります。この選択肢は記事の後半で扱います。
A型・B型という区分は、ベビーカーの安全基準を定めている製品安全協会のSG基準にもとづくものです。呼び名の違いは、主に寝かせた姿勢で使えるかどうかから来ています。
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A型は早い時期から使える代わりに、大きくて重い
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A型は早い時期から使える代わりに、大きくて重い
A型は背もたれを深く倒せるので、まだ座れない時期から使えます。その分、フレームがしっかりしていて、シートの位置も高めです。
- 座れない時期から使える
- 押している人と赤ちゃんが向き合う向きに切り替えられるものが多い
- 走行が安定していて、段差に強い傾向がある
引き換えに、本体は重く、畳んでもかさばります。価格帯もB型より上になるのが一般的です。
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B型は軽い代わりに、腰がすわってから
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B型は軽い代わりに、腰がすわってから
B型は座った姿勢が前提なので、腰がすわってからの使用になります。構造がシンプルなぶん軽く、畳んだときも小さくまとまります。
- 軽くて持ち上げやすい
- 畳む手順が少なく、片手で済むものもある
- 価格帯はA型より下になるのが一般的
引き換えに、背もたれはあまり倒せず、段差では衝撃が伝わりやすくなります。荷物入れも小さめです。
✈️ バギーとトラベルシステムは、用途が限られる
✈️ バギーとトラベルシステムは、用途が限られる
- バギーは、B型をさらに軽くしたものです。旅行や、短時間の外出に向きます
- トラベルシステムは、チャイルドシートをそのままベビーカーの台に載せられるものです。車移動が中心で、寝ている子どもを起こさずに移動したい家庭向けです
どちらも1台目としては用途が狭いので、2台目の候補として考えるほうが現実的です。
使い始める時期は、製品ごとに確認する
使い始める時期は、製品ごとに確認する
何ヶ月から使えるかは製品ごとに決まっています。 同じA型でも差があるので、候補が絞れたらその製品の表示を必ず確認してください。腰がすわる時期にも個人差があります。
型の組み合わせ方は、大きく3通りです。
| 組み立て方 | 座れるようになる前 | 腰がすわったあと |
|---|---|---|
| A型1台で通す | A型 | A型 |
| A型からB型へ買い替える | A型 | B型 |
| 抱っこ紐で乗り切ってB型から入る | 抱っこ紐 | B型 |
どれが正解ということはありません。外出の頻度が低い時期をどう乗り切るかの違いです。
観点1で出した移動手段に、型を当てはめると次のようになります。あくまで出発点で、観点2の置き場所が厳しければ1段軽いほうへずらしてください。
| 移動の中心 | 入りやすい型 | そう考える理由 |
|---|---|---|
| 電車 | 軽いA型、または抱っこ紐からB型 | 持ち上げる場面が毎日あるため、重さが最優先になる |
| 車 | A型 | 持ち上げるのはトランクへの積み下ろしだけなので、重さより走行と畳みやすさが効く |
| 徒歩 | A型 | 押している時間が長く、段差や舗装の影響を受け続ける |
| 双子・年子 | 二人乗り | 1人用を2台押すことはできないため、ここだけは選択肢が限られる |
電車が中心の家庭がいちばん割れます。 軽いA型を選ぶか、座れるようになるまで抱っこ紐で粘ってB型から入るか。どちらを取るかは、観点2で確かめた玄関と経路の余裕で決まります。置き場所に余裕がないなら、後者のほうが無理がありません。
二人乗りは縦に並ぶ型と横に並ぶ型があります。横型は幅があるため、観点2で測った「いちばん狭いところの幅」がそのまま合否になります。ここは先に測っておかないと、店頭で候補がゼロになることがあります。
ここまでの観点を、そのまま持ち物にしたものです。メジャーを持って測ってから店に行くと、判断がはっきりします。
- 玄関の空きスペース(畳んだベビーカーを置いても靴を履ける広さがあるか)
- 玄関からの経路でいちばん狭いところの幅(ドア、廊下、エレベーターの入口)
- 車のトランクの開口部の高さと奥行き(車を使うなら)
- よく使う駅にエレベーターがあるか(無い駅があるなら、持ち上げる前提になります)
- 押す人の身長(複数人で押すなら、いちばん背が高い人と低い人の両方)
リクライニングの角度、タイヤの素材、荷物入れの容量も比較項目になります。ただしこれらは店頭で押してみれば体感で分かるものです。上の5つは、先に測っておかないと店頭では判断できないものだけに絞りました。
一般によく挙がるのは次の3つです。いずれも、選ぶ前に決めておけば避けられる種類のものです。
⚖️ 重さを後回しにして、使わなくなる
⚖️ 重さを後回しにして、使わなくなる
デザインや機能で選んで、重さを最後に見るパターンです。重さが効いてくるのは購入時ではなく、階段の前に立ったときなので、店頭では実感しにくくなります。
対策は、観点1で数えた「持ち上げる場面の回数」を先に出しておくことです。回数がゼロに近いなら、重さは優先度を下げて構いません。
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A型を使う期間を、長く見積もりすぎる
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A型を使う期間を、長く見積もりすぎる
「A型1台で通す」つもりで買ったものの、子どもが歩くようになると乗る時間が減り、結局B型に買い替えるパターンです。
対策は、A型を買う時点でB型に買い替える可能性を予算に入れておくことです。1台で通すと決め打ちすると、買い替えが「失敗」に見えてしまいます。
🛣 住んでいる場所の道と合わない
🛣 住んでいる場所の道と合わない
歩道が舗装されていない、段差が多い、坂が多い。こうした条件は、店頭の平らな床では分かりません。
対策は、普段歩く道を思い浮かべながら押すことです。店頭で試すときに「この床は自分の生活道路とは違う」と意識しておくだけでも、選び方が変わります。
ベビーカーは必ず要るものではありません。次の2つは、実際に選択肢になります。
レンタルで様子を見る。 座れない時期だけA型を借りて、腰がすわったらB型を買う形です。使う期間が短い時期に高い買い物をせずに済みます。数ヶ月単位で借りられるサービスがあります。
抱っこ紐で乗り切る。 座れるようになるまで抱っこ紐で外出し、B型から入る形です。集合住宅の階段や、エレベーターの無い駅を毎日使う家庭では、ベビーカーより現実的なことがあります。当サイトで扱っている抱っこ紐はアイテムのページにまとめています。
実際に使ってレビューしたアイテム

どちらも「ベビーカーを買わない」わけではなく、買う時期を後ろにずらす方法です。生まれる前に決めきらなくても構いません。
ベビーカー選びで効くのは、カタログの比較ではなく、自分の家の条件を先に確定させることでした。
- 毎日通る道が、必要な軽さを決める
- 畳んだあとの置き場所が、選べる大きさを決める
- 使い始める時期が、A型かB型かを決める
この3つが決まると、店頭で見るのは押し心地・畳む手順・リクライニングや荷物入れの使い勝手くらいに減ります。判断の材料が減るほど、決めるのは楽になります。
外出の場面で使うものはおでかけシーンのページにもまとめています。
免責事項: 本記事の情報は執筆時点のものです。アイテムの仕様や価格は変更される場合があります。購入前には必ず最新情報をご確認ください。赤ちゃんの発達や安全に関する判断は、必要に応じて小児科医にご相談ください。