夜中に3回起きる。そのたびに起きるのは決まって同じ人。もう片方は「起こしてくれれば代わるのに」と言うが、起こす手間のほうが早いので結局起こさない。新生児期の夜間授乳は、この形で固定されがちです。
この記事は、夜間の授乳で片方だけが眠れなくなっている人に向けたものです。読み終えると、負担の軽い順に3通りの分け方と、準備で減らせる工程が分かります。
先に1つ。ここに書いているのは家庭内の運用の話だけです。 赤ちゃんや授乳している人の体調に関わることは、この記事では判断しません。相談すべき場面は最後にまとめています。
夜間授乳がつらいのは、起きる回数そのものよりまとまった睡眠が取れないことによります。合計で6時間眠っていても、2時間ごとに切れていれば、まとまった6時間とは別物です。細切れの睡眠は回復しにくいと言われています。
だから分担を考えるときの目標は、「回数を半分にする」ではなくどちらかが数時間続けて眠れる時間を作ることになります。ここを取り違えると、2人とも毎回起きて2人とも眠れない、という形になります。
分けようとして続かない理由は、だいたい次の3つに集まります。
- 母乳だと代われない工程がある。授乳そのものは片方にしかできないため、単純に半分にはなりません
- 音で両方が起きてしまう。同じ部屋で寝ていると、担当していないほうも目が覚めます。分けたつもりが分かれていない状態です
- 起こすのが面倒で、結局自分でやる。1回だけならそのほうが早いので、そのうち固定されます
3つとも「気合いが足りない」話ではなく、やり方の問題です。ここから先は、負担の軽い順に3通りを見ていきます。
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やり方1: 授乳以外を分ける(いちばん軽い)
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やり方1: 授乳以外を分ける(いちばん軽い)
授乳は代われなくても、その前後は代われます。おむつ替え・寝かしつけ・げっぷを片方が引き受ける形です。
- 授乳する人は、授乳が終わったらすぐ横になれる
- 起きている時間が短くなるので、その後の寝つきが変わる
- 母乳でもミルクでも、授乳の形を変えずにできる
3通りのうちいちばん始めやすいやり方です。哺乳瓶の準備も要らず、今夜からできます。まずここから試すのが順当です。
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やり方2: 時間帯で区切る
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やり方2: 時間帯で区切る
「夜のこの時間帯は自分が対応する」と決めて、担当でないほうは別の部屋で寝るやり方です。
要点は部屋を分けることです。同じ部屋にいると音で起きてしまうので、時間帯だけ決めても効きません。別室で寝るからこそ、担当でない時間に連続した睡眠が取れます。
移るのは大人のほうです。 赤ちゃんとその時間の担当者は同じ部屋にいます。赤ちゃんだけを別の部屋に寝かせる形ではありません。
区切り方は、寝つく時間の早いほうが前半、遅いほうが後半にすると噛み合いやすくなります。ただし授乳が必要な間隔より長い区切りにはできません。無理な長さに設定すると、結局担当外の人も起こすことになります。
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やり方3: 1回分を哺乳瓶にする(工程は増える)
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やり方3: 1回分を哺乳瓶にする(工程は増える)
夜のうち1回だけを哺乳瓶にして、その回は授乳しない人が担当する形です。片方がまとまって眠れる時間をいちばん作りやすいやり方です。
引き換えに、工程が増えます。
- 搾乳するか、ミルクを用意するか、どちらかの準備が要る
- 哺乳瓶を洗って消毒する作業が加わる
- 赤ちゃんが哺乳瓶を受け入れないことがある
やり方1と2で足りているなら、ここまで来る必要はありません。 増える工程のほうが負担になることもあります。
なお粉ミルクを使う場合、お湯の温度と作り方は製品の表示に従ってください。細菌を防ぐために温度が決められているもので、時短のために省略してよい手順ではありません。
夜中の負担は、その場でやることの数で決まります。日中に前倒しできるものは前倒ししておくと、同じ回数でも消耗が変わります。
ミルクの計量を無くす。 夜中に粉を量るのは、眠い状態でいちばん失敗しやすい工程です。1回分ずつに分かれている形のものだと、この工程が消えます。らくらくキューブは1袋で1回分になります。
実際に使ってレビューしたアイテム

明かりを小さくする。 天井の照明をつけると赤ちゃんが起きてしまい、寝かしつけからやり直しになります。手元だけを照らせるものがあると、そのやり直しが減ります。授乳ライトは明るさを変えられて、ベッドサイドに置いておけます。
体重を家で測れるようにする。 飲めているか不安になったとき、健診まで待たずに確かめられます。ベビースケールは寝かせた状態で測れます。ただし日ごとの数字は、飲んだ量や排泄でも動きます。増えているかどうかは、週や月の傾きで見てください。
掛けものを減らす。 授乳のたびに掛け直すのは地味に手間です。おくるみのように軽くて通気性のあるものだと、扱いが簡単になります。
いずれも無くても回ります。困っている工程がある人だけ検討してください。
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分けたのに両方が起きてしまう
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分けたのに両方が起きてしまう
いちばん多い形です。部屋を分けていないことが原因であることがほとんどです。やり方2の要点はそこにあります。
一時的でよいので、担当でないほうが別の部屋で寝られないか試してみてください。リビングでも構いません。数日試すだけで、効いているかどうかは分かります。
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哺乳瓶を嫌がる
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哺乳瓶を嫌がる
やり方3で起きる問題です。試せることを軽い順に挙げます。
- 温度を変える。人肌程度にしてみる
- 乳首の形やサイズを変える。合わないことがあります
- 授乳している人が部屋にいない状態で試す。においが分かるため、いると受け入れないことがあります
1回で判断せず、日を変えて何度か試してください。 それでも受け入れないなら、やり方3は諦めてやり方1と2に戻すほうが早いこともあります。
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決めた分担が続かない
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決めた分担が続かない
数日で元に戻るのはよくあることです。多くは決め方が細かすぎるために起きます。
時刻まで決めると、ずれた日に破綻します。「前半は自分」くらいの粒度にして、その日の担当だけを寝る前に口に出して確認する形のほうが続きます。
ここまでは家庭内の運用の話でした。次に挙げるものは運用で解決するものではありません。
赤ちゃんに次のような様子があるときは、時間帯に関わらず医療機関に相談してください。夜間や休日は、地域の救急相談窓口や小児救急電話相談(#8000)でつながります。
- 熱がある。**生後3ヶ月未満の発熱は、それだけで急いで相談する対象です。**市販の解熱剤を自己判断で飲ませて朝まで待つ、という対応は取らないでください
- 母乳もミルクも受けつけない状態が続く
- 呼吸が苦しそう、顔色が明らかに悪い、ぐったりして反応が鈍い
- 体重が増えない、または減っている
授乳している人の体調も同じです。 胸に痛みやしこり、熱が出たときは、産科や助産師に早めに相談してください。冷やして様子を見る、といった自己判断で先延ばしにしないほうが結果的に早く済みます。
眠れない状態が続くこと自体も、相談してよいことです。産後の心身の不調は珍しいものではなく、地域の保健センターが窓口になっています。
夜間授乳の分担は、軽いほうから試して、足りなければ次へ進むのが順当でした。
- 授乳以外を分ける。今夜からできて、工程も増えない
- 時間帯で区切る。部屋を分けるのが要点
- 1回分を哺乳瓶にする。まとまった睡眠を作りやすいが、工程は増える
目標は回数を減らすことではなく、どちらかが続けて眠れる時間を作ることです。そして体調に関わることは、運用ではなく相談で解決してください。
授乳まわりで使うものは食事シーンのページにもまとめています。
免責事項: 本記事の情報は一般的なガイドラインに基づくもので、医学的な助言ではありません。授乳の方法や赤ちゃんの体調、授乳している人の体調に関する判断は、必ず小児科医・産科医・助産師など専門職にご相談ください。粉ミルクの調乳方法は各製品の表示に従ってください。


